ESPM記事 Suzumeのnullへの誘い

電気羊SUZUME LAURANTの完璧に幸福なNULL生活 #118

対象:eve onlineを始めようか迷っている人・初心者・null未経験者
効能:eve onlineを始めたくなる。nullCorpに入社したくなる。※効果には個人差があります
使用上の注意:暖かくなったのでナマモノはちゃんと冷蔵庫に入れましょう(1敗)

Suzume Laurant IS WIN

 前置きは省略して、Imperiumが攻めてきて開戦早々のビッグバトルのお話をします。

戦いに至るまで

 前回のブログでBranchが燃えると言いましたが、今のところBranchは圧力を掛けられているだけの状態で、最前線はPure Blindリージョンとなっています。

 FRTはimperiumの侵攻前夜に、X47L-Q星系を奪取し、ここにキープスターを置いて最前線としました。FRTが住むTributeから一歩顔を出した場所で、戦争の核心であるFadeにも睨みをきかせる橋頭堡です。ここがFRTにとって最重要の攻撃拠点で、失陥すると戦線を押し込まれるポイントでもあります。

 Fadeを前線拠点としたImperiumは、早速FIRE Coなどと共同してこれを攻撃。X47のキープスターだけでなく、Pure Blindに存在する他3つのFRT所有キープスターも同時に攻撃を受けました
 シールドに対する攻撃が行われたのは3/10金曜日の深夜(※注:以降特に注釈が無い限り日本時間です)、あるいは3/11土曜日の早朝であり、アーマータイマーは3/12日曜日の夜に設定されました。
 前回のブログで『ファイナルタイマーが週末に来るよう調整するのが賢い』と言ったばっかりではあるんですが、これも次善です。
 ファイナルタイマーともなれば、仮に平日の不利時間帯でも攻撃側は人を集めやすいでしょうしね。

戦闘直前

 ともあれこの日、FRT側はアーマータイマーが動き始める4時間ぐらい前から艦隊を編成しX47キープスターにて待機しておりました。

 何故そんな早く? と疑問に思うかも知れませんが、これは後から戦場に艦隊を入れる側が不利になるためです。
 多くの人が居るソーラーシステムはサーバー負荷が高く、そこに後から入っていくと、まあ何が起こるか分かったもんじゃないんです。最たるものとしては、システムのデータロードが終わって動けるようになるまで凄まじく時間が掛かり、動けるようになったときには既に敵に撃ち殺されていた……とかですね。

 防衛側はWinterCo.とPanfam合わせて2450人ほど、対するImperiumやFIREなど、攻撃側は2200人ほど。
 一割の差があるなら勝てるだろう、という単純な話ではありません。ぶっちゃけ誤差の範囲です。
 そしてお互いのサブキャピタル艦隊が潰し合う中、キープスター攻撃用のタイタンが一隻稼働してればアーマーは破壊できます。それを防ぐには、こっちもキャピタルを大量に用意して敵のキャピタルを全て消し飛ばす最終戦争体勢で待ち構えるか、サイノジャマーで敵キャピタルの投入を防いでサブキャピタルの艦隊戦に持ち込むか、です。

 前述の通り、この日はX47を含む四つのFRTキープスターにアーマータイマーが発生していたのですが、X47以外はNPC領土や敵領土にあり、ジャマーが置けるのはX47だけでした(簡単に言うとジャマーを設置できるのは自領のみ)。
 そのためFRTは、防衛の難しさと戦略的重要度の低さから、X47以外の防衛を放棄。X47に全ての防衛戦力を集中させたのです。

3/12 JST19:30

 と言うわけで、まずROIR-Y星系のキープスターのアーマーをぶち割った敵艦隊は、X47の3つのゲートから同時に星系への進入を開始。
 このとき、タイマー開始まで約20分あったのですが、流石に4500人が動いているシステムには深刻なTidiが発生します。

 eve onlineの大規模戦ではしばしば見られる現象、Tidi。
 これは超大人数の操作を処理するため、戦場の時間をサーバー側でスローにするものです。
 まあ現実にはそれでも尚サーバー処理が追いつかず、操作を受け付けなかったりシステムがダウンしたりしますが……
 最大ディレイ状態は、実時間の10%。コンニャクの中を泳いでいるような鈍化した時間の中で戦うことになります。かったるくはありますが、プレイヤーはじっくり考えてトチらず操作する猶予ができるということもあります。
 あと、あくまでも遅くなるのは戦場(および戦場とサーバーノードを共有する星系)の時間だけで、外に居る人は普通に動けます。なので、大規模戦が起こっている中で味方の増援を要求した場合、『増援の集合に30分掛かったが戦場では3分しか時間が経っていない』なんて事も起こりえます。

 ですがタイマーだけは無慈悲に動きます。
 タイマーは防衛側のログインしやすい時間に合わせるものなので、実時間ベースで処理できなければ色々問題が起こるわけです。
 前置きが長くなりましたが10%MAXTidiの戦場に、タイマー開始20分前に到着した敵艦隊には、実質的に2分間の猶予しかありませんでした。
 即座にキープスター前にワープして砲撃を開始しなければ、リペアタイマーが回りきってしまいます。

 ここでimperium側は突撃を選択。死んでもいいからやるだけやる気だったのか、こちらを舐めていたのかは分かりませんが、キープスター上空に一旦集合し、至近にワープイン。そしてバブルによって捕獲されました。

 そんなこんなでゴタゴタしているうちにキープスターのリペアタイマーは回りきり、ひとまずシールドが復旧。
 そして敵艦隊が至近距離で逃亡不可能となれば、後はすり潰し合うのみ。
 とは言え戦闘開始直後はお互いそれほどの被害を出さないまま、DTに突入しました。
 eve onlineの日時メンテナンス、ダウンタイムは日本時間20時。中国標準時でも19時です。FRTが管理する建造物や星系は、これくらいの防衛時間に設定され、戦闘がDTを跨ぐことも多いわけです。
 強制的に全員がログオフさせられるため、戦闘も中断され、船はログインするまで安全な状態になります。

 DT明け、双方が全力で最速ログインを試みます。
 敵はこちらが撤収してから安全にログインして安全に退却する手もあったんですが、そうすると再集合の際にログインせず落伍する者が出ますし、X47以外のキープスターのタイマーを撃ちに行けないわけですから。

 超重量級のサーバー負荷が掛かる中でのログインは危険で、プレイヤー視点では周囲の状況のロードが終わらず画面が暗転しているのに、既に宇宙空間に船が出現して撃たれる状態になっている、なんて事がよく起こります。
 防衛側は味方キープスターのテザー圏内なので、動けなくてもロックオン不可状態。つまり安全でした。一方で敵は言うまでもなし。お互いに『とりあえず高い船から沈めていけ!』という状況で撃ち合いながら、敵方は脱出をもくろみ……ついには操作負荷に耐えかねてX47星系はシャットダウンされました。

 数分後、サーバーは復旧しましたが、その時不思議なことが起こった。
 破壊された船は破壊されたままなのに、それ以外はDT時点の状態にロールバックしていたのです。
 既に悲劇的な状態だった攻撃側にとって、バブル脱出のために逃げ走った距離を再度走らなければならなかった事が最後の一押しとなりました。

 バトルレポートはこちら
 この戦いによって防衛側は50B、攻撃側は230Bほどの被害を出しました。

 ……これだけ書くとこちらの圧勝に思えるかも知れませんが、そう都合良いものでもありません。
 時間が鈍化したX47システムの中に閉じ込められた味方艦隊は移動がかなわず、反対に敵は、船を撃ち落とされた後にpodを自爆させて出撃拠点にデスルーラし、船を乗り換えて別のキープスタータイマーを撃ちに行くことができたのです。
 結果として防衛側はX47キープスターの上で虐殺を続けることしかできず、他3つのキープスターはアーマーを割られ、後日破壊されました。

一方その頃

 主戦場はPure Blindだったのですが、我々カラドリウスは、艦隊編成に間に合わなかった留守番組や、現地で死んで戻ってきた者たちでBranchの防衛を行っておりました。
 星系の領有権を奪い取るには、防衛側が設定した(つまり防衛側が活動している)時間帯に星系内の装置にエントーシスとかいう領土死ね死ね光線を浴びせなければなりません。数十分間継続して。
 普通ならそんなことをするには防衛側の迎撃を圧倒する戦力を用意して行かなければならないわけですが、なにしろビッグバトルの裏側ではそこら中が留守になっているのですから、小規模艦隊でも悠々とエントーシスを成功させ、領土を陥落せしめる可能性があるわけです。
 あとはキープスター戦闘と被るようにアーマータイマーを作られた建造物がBranchにもありましたし……
 こちらの防衛重要度はX47キープスターよりは落ちるんですが、だからって放置していればぐちゃぐちゃにされてPureBlind方面を守れてもBranchから戦線を押し込まれてしまうでしょう。
 こうして敵は多方面に圧力を掛けることで対応に人手を割かせ、メインの戦いを優位にすすめたり、こちらを疲弊させることを狙っているわけで、カラドリウスはBranch地元民としてこれに対応し、味方の横っ腹を守るべく戦っているわけです。

 てなわけで3/12のバトルのお話でした。
 正直な感想として、いきなりこのレベルのビッグバトルが起こるとはあまり思ってませんでした。やはり宇宙全体がビッグバトルに飢えていたと言うことなんでしょうか。
 目下の所、Imperiumは開戦の勢いに任せて一気にX47のキープスターをへし折りに来ている様子で、今後しばらくは毎週末ビッグバトルが起こりそうな気配を漂わせております。
 またなんか面白いバトルがありましたら記事を書こうと思います。

この記事を書いたSuzume Laurantは羊社 Electric Sheep Machinery に所属してます。
公開CH:羊への入り方
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