Suzume Laurant がみなぎってきた。
今回は、少し昔の話をします。
202X年。
new eden北部へ侵攻し、DEAD Coalitionを蹴散らしたWinter Coalition(以下Winter)は、ドローンリージョンと呼ばれる宇宙北東部宙域からBranch / Tenalまでを支配下に置いた。
※ドローンリージョン:あの辺に出てくる敵NPCがローグドローン勢力なのでそう呼ばれている。
Winterはドローンリージョンに本拠地を置き、そこからVenalを挟んで少し遠いBranchではメンバーは活動せず、現地人勢力であるCaladriusの所領を安堵する一方で、それ以外の星系をレンタースペースとした。
※レンター:ラッティングの場所をヌルで借りる者たち。基本的に防衛出動の義務は無いが、代わりに領有権者に金を払うことになる。
さて、ラッティングのための領域はレンターに貸し出したが、Branchに眠る豊かな月資源まで渡すのは勿体ない。
そこでWinterは、Caladrius領有宙域以外の……つまりレンタースペースにある月は、一斉採掘日を設定してメンバーに解放することにした。
抽出した月石が宇宙空間で採掘可能な状態になるのは、8週間に一回。
(※月ドリルの設定次第ではもっと間隔を短くできるが、一つ一つの石が小さくなって採掘が面倒になるので基本的に最長で設定される)。
ようやく訪れた採掘日に、わざわざフリートを組んでロークアルをBranchまで移動させたWinterの人々を出迎えたのは…………
100アカウントを超える、Caladriusの採掘艦フリートだった。
Winter(と言うかFraternity)のメンバーが未だにロークアル採掘を行っている中、カラドリウスは既にリンクロークアル+多アカ採掘艦による集団的月掘り体制を整えていた。堀場現地での採掘艦の貸し出しまでやっていた(だいたい私が)。
更に堀場から堀場へ採掘艦を移動するためのブリッジ用タイタンも準備され、スカウト兼移動用のサイノ艦がBranch中に散らばっていた。
この時代にはまだ、ロークアルによる採掘艦ブリッジなどという便利なものはなく、それ故に面倒くさがられて多アカ採掘艦使用がいまいち普及せず、採掘ロークアルがしぶとく生き残っていた。
Winterが時代遅れだったわけではない。カラドリウスの対応が早すぎたのだ。
別のものみたいな言い方をしたが、カラドリウスもWinterのメンバーである。この月掘り会に参加するのは問題ない。
しかし、鈍重で石を一つ一つ狙うしかなく、さらに採掘力のナーフがあった採掘ロークアルにしてみれば、身軽く動き回ってイナゴのように石を食い尽くしていくカラドリウスの採掘艦隊は極めて厄介な『敵』であった。
ぶっちゃけ最初の月掘り会では、数十隻のロークアルを差し置いてカラドリウスが半分以上の石を掻っ攫った。
Winterの中核であるFraternity(以下FRT)の掘り師たちは考えた。
『どうにかしてカラドリウスの動きを制限できないか?』
二回目の月掘り会。
何時にBranchのどの月が採掘可能になるか、カラドリウスに知らされることはなかった。
そして、抽出した月石が砕かれて採掘可能な状態になるとき……
カラドリウスはそこに居た。
前述の通りカラドリウスはBranch中に移動用兼スカウトとなるサイノを用意しており、そいつらが駆け回って採掘可能な状態になった月を発見し、移動したのである。
これに困ったFraternityの掘り師たちは嘘までつき始めた。
FRT掘りフリートのFC「おい、採掘艦は安い石から掘れ。それがルールだ」
私「うちのCEOがNoraus(FRTのリーダー)に問い合わせたらそんなルール無いって言われたんだけど?」
FC「ごめんやっぱ掘って良いよ」
また、さっきまでFRTだったのに突然会社を辞めてNPCcorp所属になったNyxが堀場にドロップしてきて、カラドリウスの採掘艦を狙ったりもした。
当然カラドリウスはキャピタル艦隊に招集を掛けて、Nyx捕獲用のHICを堀場に用意。するとNyxはもう戻ってこなかった。
他に、カラドリウスが掘り始めた堀場に突然FRTが他のロークアルを全て持ってきて獲物を横取りしようとしたこともあったのだが、そんな作戦に付き合わされたら困るのはどう考えてもロークアルで採掘している連中の方である。のそのそと石の前まで移動してやっとドローンを出したときには、もう隣の石を食い尽くした採掘艦が迫ってくるのだから。
結局カラドリウスが大量に月石を掻っ攫って月掘りは終わった。
その後もBranch採掘会は何度か催されたが。
FRTのロークアルフリートは移動中にVenalで捕獲されて何隻も沈められたり、採掘中のところに大量のDNをドロップされてまた何隻も沈められたりした。
FRTはロークアルの護衛用にキャピタルフリートをBranchに持ってきていたのだが、みんなDNに乗りたがったせいなのか何なのか、襲われたときは明らかにFAXが足りずその辺はカラドリウスが補っていた。それでも足りず、ぼんがぼんが沈んだ。カラドリウスは採掘艦を使っていたので、カウンタードロップしたDN以外は無事だった。
そうまでしてやってきたBranchでFRTを待っているのは日本イナゴの群れである。
やがて、お手上げになったFRTはBranchの高額月を全部まとめてカラドリウスに貸し出した。
以後、カラドリウスは立ち退きを迫られるまでの数年間、あり得んくらいの頻度で高額月を掘り続けたという。






